Case 03|DX開発部門——「忙しさ」の誤診断を退ける
DX組織が機能しない原因は、人手不足ではなかった。
DX組織の生産性低下は、人員の問題なのか、意思決定構造の問題なのか——大手企業のDX開発部門で、この切り分けが論点になった。現場の空気は「人が足りない」。実際、タスク管理チケットは短期間で1割以上急増し、期限超過も多数に達していた。だがデータを分解すると、実態は違った。方針は決定済みなのに仕訳されていないチケットが滞留する——人手不足ではなく、衛生問題だ。
増員や督促による対応を却下し、死蔵チケットの一括クローズと仕分けを最優先課題に設定した。そして、仕分けが完了するまで増員判断は保留する、というキルコンディションを明示した。
忙しさを増員で解くのは、診断の放棄だ。まず問題を正しく名指しすること。