遺言書の豆知識

遺言書と遺書の違い

 遺書と遺言書の大きな違いは法的効果があるかないかということです。

遺書には何が書かれていようと、その内容を実現しなければならない義務は誰にもありません。一番イメージしやすいのは、自ら死を選ぶ際、つまり自殺をしようとする人が書き残すメッセージが遺書です。

 遺言書には法律による要件(書き方の規則)がありますが、それに則って作成されれば、法的な効力が発生します。自分の死後に配偶者や子供が困らないように居住している家を残したいとか、世話になった方に現金を贈りたいとか自分の意思を伝えることです。さらに大事なことは自分の愛情を周りに伝えることです。私は遺言書は家族への最後のラブレターであると思っています。

遺言書の預け先

 公正証書遺言なら問題はありませんが、自筆証書遺言ですと預け先を考えなければ、必要な時に紛失して役に立たないことも考えられます。最悪なのは銀行の貸金庫です。紛失することはありませんが、相続人全員の印が必要だったりするので、住所不明の相続人がいたりしたらお手上げとなります。ましてや、預けたことも秘密にしていれば、出てきたときにすべてやり直しという羽目にもなりかねません。
 一番良いのは財産分けで条件の良い人に預ければ、間違いないところです。後は保管料を払っても専門家に依頼することです。ただしこの場合は遺言書を預けてあることを知らせ、もしものときは連絡がいくようにしておかなければなりません。

付言事項

遺言の本体は財産の処分や祭祀承継者や遺言執行者の指定などですが,相続人らに宛てて自分の気持ちを付加することができます。
 たとえば,遺言で財産を特定の者に相続させることにした理由,
葬式や法要の方法,献体や分骨・散骨を希望する趣旨,家業の発展を祈念する旨をつづっておくなどです。

 さらに大事なことは、残された愛する人々への思いをつづることです。子供であれば、命名の理由とか、誕生秘話、入園入学のエピソード、旅行の思い出、子供がいなければ兄弟の思いで等を書くべきです。最後のラブレターなのですから。

 何かの事情で財産を受け取れない相続人がいるならなおさらです。名前すら書いてないという遺言書を見せられたら、当人はどう思うでしょうか。こじれる可能性が大です。揉める背景にはこのような寂しさや悲しさがあるものです。その感情を理解してラブレターを作成してほしいものです。

残される家族の思い

 相続を受ける立場の家族からすると、もらう財産の多い少ないよりも、きまりの悪い話し合いはしたくないものです。暗黙の了解で決まっていけばいいのですが、そんなに都合よくいくことは難しいものです。争いになる可能性も少なくなるので、遺言書を書いてほしいと思っている人は多いものです。しかし、もの欲しげに見られそうで、親に遺言書を書いてくれとは言い出せないものです。親の方でもなかなか遺言書を書く踏ん切りがつかないでいることも多いものです。

 何故遺言書を書かないか

  1.財産が少ないから揉めないだろう。

2.話し合いで決めればいいから。

3.法律で決められた通りに分ければいいよ。

4.遺言書なんて縁起でもないし、そんな年でもない。

5.面倒だな、時間もかかるし金もかかる。

6.どうやって書けばいいかわからない。

こんなところではないかと思います。縁起でもないと仰る方でもしを前提とした生命保険には入っていらっしゃると思います。残された家族への備えという意味では同等と思われます。

遺言書の法的性格

1.遺言書は単独行為であり、相手がいなくても成立する。

2.何億と言う財産も遺言書だけで処分可能となる。

3.自由に書き換えることができる。

遺言できる人、できない人

遺言できない人は15歳未満の人。

認知症の人。

つまりはっきりした意思能力があることが求められます。

ですから認知症でもボケの症状の軽い人は医師の立会いの下で遺言書作成が可能な場合があります。