相続

  ご挨拶にも述べましたが、自分の死後に愛する家族が揉めないように配慮すべきと思います。それを相続対策といっていますが、その一番目は遺言書を書くことをお勧めします。縁起でもないと仰る方がよくいらっしゃいますが、人はいつか別れが来るものです。それがわかっていらっしゃるから、その対策として生命保険等の保険にはまず多くの方が入っていらっしゃいます。しかし、自ら築いてきた財産については、放置されている方が多いのは残念なことです。実際、実務において、遺言書さえあればここまで揉めなかったろうにという例が見受けられます。ですから、誕生日とか正月とか節目の日に一度考えてみられるのもいいかと思います。

  相続というのは、被相続人(亡くなった人)の権利や義務(財産上の地位)を相続人が受け継ぐことです。プラスの財産だけではなくマイナスの財産つまり借金等の負債も受け継ぐことになります。相続の始まりは誰かが亡くなることです。

  相続が開始したらまずは被相続人(亡くなった人)が遺言書などを残していないか探す必要があります。遺言書があれば、相続財産は原則、遺言書のとおりに分けられます。ただし、公正証書遺言ならば必要はないのですが、自筆遺言ですと家庭裁判所で承認(検認)を受けなければなりません。遺言書がなければ、どのように相続財産をわけるか相続人の全員で話し合って、決めることになります。

 相続が争続になる原因の一つにこの話し合いがあります。ここで、相続人本人だけならばまだいいのですが、権利のない配偶者や第三者が介入すると治まるものも治まらなくなるようです。外野席というか応援団のようで囃すだけ囃して、もらえる権利があるのだからあーやれこーやれという方たちです。

 また、話し合いの最初の持っていきかたも考える必要があります。こじれる原因の一つには感情の問題です。実務でも、最初の話し合いで感情の行き違いがあり、銀行に預けてあった定期預金がいまだに凍結されている例も散見されます。こうなると救いようがありません。金額が大きければ裁判してもということになりますが、逆の場合は費用対効果を考えて面倒くさくなり放置ということになりかねません。

この場合はどうするの

相続の 『この場合はどうするの?』 と思うようなことについてご説明いたします。
遺言書が見つかったら

 自筆証書遺言書の場合は家庭裁判所に提出して、相続人の立会いの下、検認を受ける必要があります。

 ただし、これは書いてある内容が有効であるとか無効であるとかを判断しているのではなく、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。

 公正証書遺言の場合は、前述の検認の必要はなく、通常遺言執行者が決められておりますので、遺言執行者が被相続人の代理として遺言内容に沿ってその業務を執り行うことができます。

遺言書通りの財産分割をしたくない

 遺言書の内容に不満や別の意見がある場合、利害関係のある相続人以外の第三者(受遺者等)がいなければ、相続人全員が承諾すれば、遺言書とは違った分け方をすることが可能です。これは、自筆証書遺言でも公正証書遺言でも同様です。

 もし受遺者等の第三者がいれば、相続人全員の他にその第三者の承諾も必要ですし、遺言執行者がいれば、さらに遺言執行者の承諾も必要となります。

 逆にいえば、行方不明者や非協力的な方、納得しない方がいるような揉めそうな時に遺言書が役に立ちます。関係者全員が良好な関係を築いており、相談で決められるなら遺言書も必要ないといえます。被相続人がそう思っているだけでということは往々にしてあることですから、保険のつもりで書いておくことも一案です。

相続手続の流れ

一般的な流れ

1.被相続人の死亡(相続開始)

       ↓

2.遺言書の有無確認

       ↓

3.相続人の確定

       ↓

4.遺産の調査・把握

       ↓

5.遺産の評価

       ↓

6.相続放棄・限定承認(相続開始を知ったときから3カ月以内)

       ↓

7.所得税の準確定申告(相続開始後4カ月以内)

       ↓

8.遺産分割協議

       ↓

9.相続税の申告・納付(相続開始後10カ月以内)

相続発生後の手順

 相続が発生するとまず行われるのが、通夜や告別式ですが、これらが終わって一段落すると具体的な法律上の手続きや判断を行う事柄ができてきます。死亡直後はこまごまとやることが多く、相続のことまで頭が働きません。ですので通常、このような相続手続きは、ひと段落ついた49日後辺りからぼちぼち取りかかるないしは催促されるということが多いようです。

相続放棄・限定承認(3か月以内)

相続の基本知識

相続人とは誰か

1.配偶者は常に相続人となります。

2.第一順位は子となります。子が先に死亡して孫がいる場合は代襲相続となります。

3.子・孫がいない場合は第二順位として直系尊属がなります。

4.子・孫・直系尊属ともいない場合は兄弟姉妹となります。兄弟姉妹の代襲相続はその子、つまり甥姪までとなります。

法定相続分とは

1.相続人が配偶者と子の場合

  配偶者は全財産の2分の1、子が残りの2分の1となりますが、子が複数の場合はその2分の1を均等に分けます。

2.相続人が配偶者と直系尊属の場合

  配偶者が全財産の3分の2、残りの3分の1を直系尊属(親、祖父母、曾祖父母)が相続します。

3.相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合

  配偶者が4分の3、残りの4分の1を兄弟姉妹が相続します。

  

相続の豆知識

何故相続は揉め易いのか

1.民法の改正と平等意識

  戦前の家督相続から共同均分相続に変更になり、平等意識に目覚めてきたことがあげられます。原則として配偶者が2分の1、子供が均等割りとなりました。また、遺留分減殺請求権と言う権利もできたことも拍車をかけています。そのため、当然の権利として法定相続分の遺産分割を主張する人が増えました。

2.相続財産がほぼ土地家屋だけで分けられないこと。

3.財産はないと言いながら、通常のボーナスより多額にあること。ローンや子供の教育費を考えるとできるだけ欲しいという欲が出ること。

4.子供の配偶者らが口を出すこと。

5.親を介護した側のこれだけ苦労したのだからという気持ちと、親と同居して子供の面倒や賃貸家賃が不要だったから今まで楽したろうという気持ちの違いが発生。

6.意識下に遭った感情のもつれが、何らかのきっかけで表面に出てきて、「あいつにはやりたくない」などという気持ちにまでなること。

葬儀と告別式の違い

 葬儀と告別式は別のもので、葬儀はあくまで亡くなった方の魂を仏様なり神様の元へ送るための「儀式」で、遺族や親族が故人の冥福を祈り、別れを告げるためのものです。

 告別式とは、故人の友人、知人が最後の別れをするいわば「お別れ会」で、本来葬儀に引き続き会葬者全員で遺骨を墓地に埋葬する前に行なうものでした。残された人が故人にさよならを言う時間と思えばいいでしょう。

 また、通夜の起源はお釈迦さまが入滅された時、その死を悲しむ弟子たちが、お釈迦さまを 偲んでその教えを夜を通して語り合ったことに由来しています。昔は、お通夜といえば、読んで字のごとく夜通し行っていましたが、現代は一般的には夕方、六時前後から始まり、二~三時間で終了するいわゆる「半通夜」がほとんどになりました。
 この「半通夜」のあとは親族、近しい方々だけが、遺族に付き添い、夜を明かすようです。

死亡届と火葬許可証

  人の死亡には「死亡届」が法律の上で義務づけられています。死亡届には担当医師が作成した死亡診断書あるいは死体検案書を付けてだします。死亡届の提出先は、現在では市町村の戸籍係で、どこの市町村でも受け付けてくれます。届出人の条件は同居の親族、同居していない親族、同居者、家主、地主、家屋管理人、土地管理人、公設所の長の順位と決められています。普通は親族がやることになります。

  火葬許可証は、当然に死亡届を提出してからの交付となります。法律上では、死亡届は死亡確認から七日以内に提出することになっていますが、届を出さなければ当然火葬できませんから、普通には死亡当日か翌日には死亡届を出します。

  死亡届と一緒に死体火葬許可申請書に必要事項を記入して提出すれば火葬許可証の交付となります。そしてその許可証を火葬場に提出し、火葬終了後に、これが埋葬許可証になります。以降、この埋葬許可証はお寺などの埋葬管理者が埋葬後、管理保管するようになります。


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